普段耳にするインテリアという言葉。よくよく考えてみるとどんな意味なのか、何を指す言葉なのか分かりずらい言葉でもあります。
インテリアは使う人の立場や状況によって狭義に使われることが多いので、混乱することが少なくありません。
ここではそんなインテリアの意味について、改めて解説していきたいと思います。
1.インテリアってどんな意味?
インテリアは英語の「interior」が日本に持ち込まれ、日本語として定着したものです。
英語のinteriorは広く「内側の」という意味があって、建物や部屋の内側を指す場合もありまし、もっと広義に「国内の(国の内側)」であったり、「精神的な(体の内側)」といった意味を持っています。
日本語でインテリアという場合には、このinteriorの中でも特に「建物や部屋の内側」のみが抽出されて、建物や部屋の内側の空間を構成するアイテムやしつらえ全体を指す言葉となっています。
「建物の内側の空間を構成するアイテムやしつらえ」というのは、日本語としてもちょっと長くて分かりずらい言葉です。
一般的にインテリアという単語を使う時は「室内装飾」という意味で用いられることが多いですが、これはインテリアの1つの側面でしかありません。
普段私たちが「おしゃれなインテリアにしたい」「豪華で精巧なインテリア」といった言葉と使う時に室内の装飾に着目しがちなだけで、実際の室内空間は床や天井といった建築の仕上げ材の他、照明や収納、ソファー、棚、ラグといった様々な要素で構成されています。
賃貸住宅では床材や壁紙はあらかじめ決まっていて自由に変更することが難しいことから、「インテリアを変える」というと家具や家電、雑貨をどうするかというイメージになりがちなのです。
しかしインテリアを考える上では、自分では変えられないまでも床材や壁紙の色や素材感を考慮することがとても重要になります。

床や壁の素材や色、家具・家電は必要最低限の機能だけ果たせればいいと言う人にとっては、どれもそれらは室内装飾ではないと考えている人もいるかもしれないね。
ただ実際にモノとしてそこに存在している限り、それらすべては部屋を装飾・演出する要素となります。
つまり、広義の意味では建物の室内空間にあるすべてがインテリアであり、インテリアを考える際には室内空間をトータルで考える必要があるのです。
インテリアの対象
・床や壁や天井などの仕上材
・巾木や廻り縁、柱や壁などの装飾品
・ソファやテレビボード、棚などの家具
・冷蔵庫や電子レンジ、スピーカなどの家電
・カーテンやラグ、ベッドカバー、クッションカバーなど
・照明
・雑貨など
・その他(スイッチプレート、壁掛けフック等々)
2.立場によって扱う範囲が変わるインテリアという言葉
インテリアという言葉がなぜここまで人によって意味がずれていくかというと、インテリアという言葉によってイメージされるものは、その言葉を使う人の立場や場面によって変わるからです。
例えば一般の人は、建物の床や壁紙などの内装の仕上材は既に完成されたものとして使用することが多いので、家具や家電、雑貨のイメージになりがちです。
一方で、職業としてインテリアを扱うインテリアデザイナーやインテリアコーディネーターは、もっと広く室内空間全体を扱います。
インテリアデザイナーやインテリアコーディネーターは単なる内装材や家具だけでなく、普段私たちが室内装飾と思っていないコンセントやスイッチプレートを選ぶところまで業務の対象にしています。
しかし、その空間を利用する人が竣工後に持ち込む雑貨や食器、家電などは業務の範囲から外れてコントロールしきれないことが多いです。(一部取り入れることもありますが)
そのため、インテリアデザイナーやインテリアコーディネーターの取り扱うインテリアという言葉の範囲には雑貨などが含まれないこともあります。
インテリアに関わる用語には家具や家電、什器、ファブリック(布製品)といった様々な用語がありますが、それぞれが微妙に重なり合ったり棲み分けながら「インテリア」という概念を形作っています。

こちらの図はあくまでも1つの模式で場合によっては例外もありますが、様々にインテリアの捉え方や切り取り方が違ってくるのもよく分かりますね。
ここにインテリアという言葉のもつちょっとしたややこしさや分かりにくさがあるのです。

職業としてのインテリアデザイナーがインテリアをデザインする際は、その空間を使う人が持っている雑貨や食器までは見切れなかったりするもんね
3.インテリアの対義語は?エクステリアとの関係にも注目
インテリアの対義語はexterior(エクステリア)ですが、こちらはインテリアとは逆に建物の外部空間を構成するアイテムやしつらえ全体を指す言葉になります。
日本語にすると、外装や外構といった言葉が当てはまります。

外装は建物の形外部に使われている素材やデザイン、外構は門やフェンス、駐車場やカーポート、芝生や樹木など建物の外側を構成する様々なものを対象としています。
外構という言葉もインテリアと同じで、工事区分でタイルや門扉といった構造物を担当する業者が狭義の意味で使っていることも多いですが、それはその業者の行う工事区分がたまたまそうなだけだったりします。
ちなみに私が大手住宅会社で働いていたときは、建物本体以外で建物の外にあるものはすべて外構と呼んでいました。

「外構には植栽は含まれないですよ」という言葉には、その業者は植栽工事は行っていないというだけの意味だっりします。
そもそも、日本の建築は建物の内外の境界がはっきりしていないという特徴があるので、インテリアやエクステリアをそのまま日本語に変換するのは難しい面もあります。
海外では明確に建物の内外を区切っていたので、分かりやすくインテリアとエクステリアを分けるだけで問題ないですが、日本の感覚ではそうもいきません。
具体的な例を挙げると、日本建築の「縁側」や「土間」といった場所では建物の内側と外側の境界が曖昧だったりするので、そもそもinteriorという言葉を日本語にする時もぴったりした言葉にならないのですね。
以上のことをまとめると、それぞれの立場によって狭義の意味がそれぞれ異りますが、トータルで考えると建物の内部空間に関わるものすべてがインテリア、外部空間に関わるものすべてがエクステリアといってよいと思います。
いかがでしたでしょうか。
普段何気なく使っているインテリアという言葉。詳しく見ていくといろいろな人のものの見方や文化の違いが見えてきてとっても面白いですね。
このブログでは広い意味でのインテリアを対象に様々な知識や情報を発信していきたいと思いますので、興味のある方は是非お付き合いください。

にほんブログ村
↑インテリア系のブログランキング。よければクリックして応援してもらえると嬉しいです。
建築やインテリア好きな人は他にも面白いブログがいっぱいあるので是非見てみてください^^